廃車証明書と言われても、なかなか馴染みのない人もいるかと思います。ここでは、廃車証明書について詳しく解説します。
目次
廃車証明書とは
廃車証明書とは、その名のとおり「廃車したことを証明する書類」のことです。ただ実は、正式名称ではありません。廃車証明書の正式名称は、手続きによって異なります。
普通自動車の廃車
- 永久抹消登録「登録事項等証明書」
- 一時抹消登録「登録識別情報等通知書」
軽自動車
- 返納届出「自動車検査証返納証明書」
このように、廃車証明書と一言でいっても、車のタイプや手続きの種類によって異なります。なお、廃車証明書に書かれている内容は、車体番号や登録番号、車の型式、所有者の名義など、車検証に書かれている内容と同じような情報になります。「登録事項等証明書」と「登録識別情報等通知書」に書かれている内容は、ほとんど変わりません。
さらに、車検証には書かれていませんが、盗難届や税金の滞納などの情報も書かれています。ここでは、廃車証明書とは、廃車したことを証明するための書類ということを簡単に理解しておくだけで大丈夫です。
廃車証明書はどのようなときに必要なの?
それでは、どのようなときに廃車証明書を使うことになるのでしょうか。
廃車証明書は、以下の場合に必要となります。
【廃車証明書を使うとき】
- 自賠責保険を解約する
- 自動車保険(任意保険)の中断処理を行う
- 一時抹消登録した車を再登録する
これらの手続きは、廃車したことを証明しなければ進められません。ですから、廃車証明書は以外と重要なものなのです。
廃車証明書を入手する方法
前述のとおり、廃車証明書とは、「廃車したことを証明するための書類」になります。つまり、この書類を手に入れるためには、車を廃車登録する必要があります。申請場所や必要書類は、手続きごとに異なります。
登録事項等証明書
- 申請書
- 手数料納付書
- 運転免許証
登録事項等証明書が発行されるまでには、1ヵ月程度かかるのが一般的です。なお、廃車手続きのあとに行う「自賠責保険の解約」には廃車証明書が必要になります。登録事項等証明書が届いたら、写しを添付して自賠責保険の解約を忘れずに行ってください。
登録識別情報等通知書・自動車検査証返納証明書
一時抹消登録は、管轄の運輸支局で手続きできます。ただ、軽自動車の廃車手続きは、「軽自動車検査協会」で行います。廃車手続きが完了すると、その場で廃車証明書(登録識別情報等通知書もしくは自動車検査証返納証明書)を発行してもらえます。
廃車証明書の再発行手続き
廃車証明書はさまざまな手続きで必要になります。しかし、万が一、廃車証明書を紛失してしまった場合はどうすればよいのでしょうか。
廃車証明書をなくしてしまった場合でも、運輸支局に行けば再発行してもらうことができます。ただし、再発行してもらえるのは「登録事項等証明書」だけです。
それでは、登録識別情報等通知書をなくしてしまったとき、再発行はどうするのでしょうか。
この書類は再発行してもらえません。しかし、代わりに「登録識別情報等通知書の遺失等に係る新規検査、登録申立書」をもらえます。この書類があれば、再登録するときなどに手続きをすることは可能です。
ただし、登録事項等証明書に関しては、取得できるときとできないときで必要名書類が異なってきます。取得できる場合は、登録識別情報等通知書の遺失等に係る新規検査・登録申立書とあわせて、譲渡証明書と新旧所有者の実印、印鑑証明書が必要になります。
この申立書には、盗難届をだしたときの日付・受理番号を書くところがあります。したがって、まず警察に遺失物届を出す必要があります。そのときの受理番号も忘れずに控えておきましょう。
また、登録事項等証明書が取得できない場合は、これらの書類に合わせて、車検証や納税通知書、所有者を証明するものなどが必要です。
自動車検査証返納証明書
この書類に関しては、紛失してしまうと再発行してもらうことはできません。もし紛失した場合は、あらためて以下の書類が必要です。
- 新規検査願出誓約書
- 譲渡証明書
- 遺失等に係る新規検査願出書
- 自動車検査証返納証明書紛顛末・誓約書
- 譲渡証明書
- 車台番号の拓本
- 実印
- 印鑑証明書
このときに必要な書類は多いです。手続きが終わって書類が届くまでには1週間ほどかかるケースがあります。いずれの場合も、手続きは非常に面倒がかかるため、廃車証明書はなくさないように注意してください。
廃車証明書の再発行まとめ
廃車手続きをすると、そのことを証明するために「廃車証明書」が発行されます。この書類は自賠責保険の解約やその車を再登録するときに必要な書類です。ですから、非常に重要な書類になります。
しかし、廃車証明書をなくしてしまうと、車を再登録できなかったり、自賠責保険料の還付を受けれなかったりします。そうなると非常に困りますから、廃車証明書はなくさないように気をつけましょう。
万が一、廃車証明書をなくしてしまった場合は、廃車手続きを行った運輸支局もしくは軽自動車検査協会で対応してくれます。再発行できる場合もありますが、それに代わる別の書類が発行されるケースもあります。
いずれにしても、すぐに対応する必要があります。廃車手続きは何かと手間がかかりますが、実印が必要になるかなり重要な手続きです。ですから、自分で申請する場合、代行で申請する場合、どちらでも書類のやり取りは慎重に行うようにしてください。